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マテリアルゴースト
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第十七回ファンタジア長編小説大賞《佳作》受賞作品。第一巻は平成十八年一月二十五日初版発行。全五巻および短編集一巻。挿絵はてぃんくる氏。
われらが葵せきな、商業デビュー作品である。
主人公・式見蛍とその仲間たちが繰り広げる日常のおはなし。いわく、『ファンタジック・ゴースト・ストーリー』
基本的に主人公・蛍の一人称で語られ、合間合間に他のキャラクターの語りが入る。三人称部分は極端に少ない。
せきな作品の一つの見所、『会話の掛け合い』が随所で見られる。個人的には『あとがき』がオススメ。本編よりもあとがきが面白い……とは言わないけど。キリは『あとがき買い』した人間。
また、出版の性質上、一巻と二巻には執筆において一年ほどのブランクがあり、二巻以降の完成度はかなり高い。
幻の二巻が存在するらしい。(参照→■)
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式見蛍
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『マテリアルゴースト』本編主人公。「死にてぇ」が口癖。
第一巻冒頭で《霊体物質化能力》を持つ。それゆえに第一巻以降、悪霊に狙われているはずだが実際に襲われたことはない。少なくともそんな描写はない。三巻でその理由が少しうかがえる。
女顔で体躯も華奢。家事が上手でちょっと女声気味。個人的には生まれた性別を間違えたな、ってカンジ。しかし、熱血なところもあったりしてステロタイプな主人公だったりもする。
たいへんな羽毛布団狂。しかし、その気持ちは良くわかる。
以下ネタバレ反転。
四巻ラストで死亡。五巻ラストで成仏する。そのあまりに切ない結末に涙した読者も多いようである。
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ユウ
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『マテリアルゴースト』本編もう一人の主人公。記憶喪失の美少女幽霊。
彼女についてイロイロ解説するとイロイロとネタバレするのでやりづらいな……。
好物は『冷凍いくら』で、好きなTV番組は『萌えアニメ』
漢字で書くと『遊兎』 ただし、本来の由来は別にある。
二巻以降、蛍の《守護霊》としての力が作用し始める。が、三巻も四巻も蛍は特にピンチに陥らない。陥ってるけど《守護霊》としての力が働いたような描写は少ない。
以下ネタバレのため反転。
正体は《世界の意思に派遣された監視者》(四巻参照)
キリは《生霊》の線を考えていたんだけど。話の風呂敷は思ったよりも大きかった。
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神無鈴音
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『マテリアルゴースト』ヒロインその二。巫女服を着ない巫女。
ヒロインその二、と書いたが実際には一番ヒロインらしいヒロイン。女性キャラは蛍との関係が微妙だったりキャラが強烈だったりすることが多いので。
巫女としては、知識は深いが実践はダメ、なタイプ。少しコンプレックスに感じているようだ。実際、優秀な姉に対して劣等感を持っているような描写が散見される。
赤面症で対人関係において潔癖症。ユウに妬いてるだけなんだけど。
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真儀留紗鳥
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『マテリアルゴースト』ヒロインその三。先輩。
いろいろと謎の多い女性。受験生。帰宅部部長。可憐な容姿に反比例するかのように口調が男っぽかったり性格がアレだったりする。四巻までの主要登場人物で唯一、霊視能力を持たない。
この人が一巻でランチをどうこう言わなきゃまた違った物語が始まったと思われる。
二巻初版では『佐鳥』と表記されているが『紗鳥』である。
メインで活躍するのは本編よりもブログという八面六臂ぶり。というか霊視能力のなさが完全に致命的(苦笑)
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篠倉綾
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『マテリアルゴースト』ヒロインその四。幼馴染。
初登場二巻。
キリとしてはなんだかんだで一番地味なのは彼女なんじゃないかと思う。というか、インパクトの割りに登場シーンが少ないんだよね……。
以下ネタバレのため反転。
二巻において《顔剥ぎ》の宿主として殺人未遂を犯す。と、書くと非常にショッキングなので印象には残るんだけど、実際のところは、三巻には出てこないし、四巻でもサブキャラのポジションをキープしてるだけなので、個人的にはゲストキャラとしての印象が強い。まだ『マテリアルゴースト』が完結してるわけじゃないので、これからなにか『物語としての役目』を果たすのかもしれないけど、このまま箸休めみたいなポジションをキープしてほしい。『マテゴ』の女性キャラは強烈過ぎる……(苦笑)
五巻でもやっぱり箸休めでした(苦笑) 物語中、一番報われなかったかもな……。
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星川陽慈
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幼馴染その二。普段はツッコミ担当。
初登場二巻。
『マテリアルゴースト』における数少ない男性キャラ。スポーティーな印象とは裏腹にイジメられキャラっぽい(鈴音談:参照;二巻七十四ページ)。
《恋愛遍歴目視能力》なる能力を持っている。それと引き換えかは不明だがもっと重要なモノを見分ける力は皆無である。あるいは蛍が罪深いのかもしれない。
蛍がタメグチをきくのでうっかりすると蛍と同級生だと思ってしまうが、先輩こと真儀留紗鳥と同級生。蛍よりも年上。
自分で曲も作る。(参照→■)
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式見傘
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『マテリアルゴースト』ヒロインその五。実妹。
初登場三巻。
兄ラブ! な妹。一線を越えることも辞さないようだ。兄にそっくりな容姿をしている。
以下ネタバレにより反転。
本体の方は死に掛けているという、死にたがりの兄よりも『死』に近いところにいる、そういう意味ではちょっとかわいそうな女の子。幽体離脱が自在にできるようになったりと霊能力に関しては式見兄妹は非常に優秀。でもこの兄妹、どっかおかしい。どことは言わないけど。
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神無深螺
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『マテリアルゴースト』ヒロインその六。正統派巫女。
初登場三巻。
別名《漆黒の巫女》 鈴音の姉。超一流の巫女。白髪。
実は赤面症。図星を当てられたりすると耳が動く性質。最近流行のクーデレというヤツです、きっと。
てぃんくるさんの趣味なのかは不明だが、やたら私服がゴージャスな気がする。鈴音は比較的地味だったのに。
十九歳らしい。初登場以降、異様に人気が高い。
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タナトス
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初登場三巻。
《死霊使い》という二つ名と蛍を狙っているということしかわかっていない。
相当強いみたいだ。
以下ネタバレ反転。
正体はアリスという名前の“女の子”。双子の兄、アデルの《王の力》の宿った心臓を移植され、死ぬに死ねない人生を送っていた。彼女の目的は二つ。『兄』と『本来の自分』を取り戻すこと。その結末は自身の目で確認を。
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日向耀
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『マテリアルゴースト』ヒロインその七。後輩。
初登場四巻。
紗鳥先輩大好き! な後輩。帰宅部、幻の三人目の部員。
相方は犬のぬいぐるみ『ニャー君』
以下ネタバレのため反転。
心臓疾患のため長く生きられない。というか、四巻ラストで死んでる。
しかも成仏したっぽいんだけど。大団円に一人欠けるとは思わないけど、どうするんだろ? と思っていたらそのまま五巻には出て来なかった。あまりに哀切な結末なのでここでは語らないことにする。
良くも悪くも物語のキーパーソンである。いみじくも一巻で蛍はこう言っている。『経験値一杯くれそう』
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ヘルメス
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初登場四巻。
謎の美少年。耀の知り合い。
以下ネタバレのため反転。
正体はタナトス。
耀をある意味で救うための方便だったようだ。
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雨森沙里
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神無家新人お手伝い。ヒロインには数えません(断言)。
初登場五巻。
綾以上の幽霊誘引体質。本当に綾の立場無ぇな!
ちなみに彼女自身になにか伏線があるわけではありません。
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水月鏡花
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神無深螺の相棒。この人もヒロインじゃありません(断言)。
初登場五巻。
沙里曰く、『宝塚の男役のような美人』。ケイコさんに似ている。
以下ネタバレ反転。
正体は式見蛍。死後、《霊体物質化能力》の影響で霊体が物質化した。その後タナトスから身を隠すために女装(?)することに……。死んでも気苦労の絶えない男、それが式見蛍。
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ホタル
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紗鳥の拾った猫。異様に頭がいい。
初登場五巻。
以下ネタバレ反転。
正体は式見蛍。タナトスから守るためにこっそり帰宅部に帰ってきた。五巻カラー絵一枚目はケイだと思うとエロ過ぎる。裸で抱き付かれるとかそうそうないよ?
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春沢芳子
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初登場一巻。というかそれ以降出てきてない。
蛍がお世話になった看護婦さん。三十代。自称・二十代でも通る。僕もそう思う。
あんまりナースっぽくない発言が多い。でも患者さんには人気。
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《中にいる》
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初登場一巻。最初の《敵》
都市伝説級の悪霊。自殺を誘発する。
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ショーコ&カズミ
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初登場一巻。正確には三巻。
巻を追うごとに扱いが良くなる女子高生二人組。四巻ではキーパーソンである。
が、五巻には出てこない。
メール配信されたセルフ二次作品『@bitter taste』にも比較的メインで登場する。
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《顔剥ぎ》
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初登場二巻。
《完全憑依型》と呼ばれる極めて稀で強力な悪霊。美人を怨んでいる。
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田原君
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初登場二巻。
蛍の前の席の少年。ある意味、作品中一番の巻き込まれキャラ。
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《楔》
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初登場三巻。
深螺の使役する霊体。顛末だけを見ればちょっと気の毒。
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ピア子
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初登場0巻。
現守高校に現れた幽霊。ピアノが弾きたかったらしい。
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ナオミ
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初登場0巻。
ナースの幽霊。看病がしたい人。若干サイコ。キリリという妹がいる。
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女の子の幽霊
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初登場0巻。気に入った人にだけイタズラをする。
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梅さん
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初登場0巻。
鈴音付きのお手伝いさん。趣味でメイドを服を着ている。パイポを吸う。
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高幡冴子
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初登場0巻。紗鳥の中学時代の委員長。
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杉原
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初登場0巻。野球部。陽慈の同級生。
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木村
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初登場0巻。野球部。陽慈の後輩。
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式見蛍の独白
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関連エントリ含め順にリンク張っておきます。
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蛍の入院生活を綴ったブログ公開の物語。セルフ二次作品の第二弾に当たる。(第一弾は『@bitter taste』)
正直、短編に入れても良かったんじゃないかとも思える作品(郡)。
明確なタイトルではないけれど、最後のエントリタイトルが『式見蛍の独白』だったので全体タイトルもそれで統一した。
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吉村加奈子
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『マテリアルゴースト』隠れヒロイン。……ではない気がする。彼女がヒロインなら春沢さんだってヒロインだ(言い切った)。
蛍が《死にたがり》なら、彼女はさしづめ《殺したがり》
つくづく蛍って苦労性だなぁ。
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婆さん
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本名不詳。
天寿を全うしたともいえるし、そうではないともいえるし。
人の生き死にに直接的な意味はないということ。
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インビジブルゴースト
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エントリ一覧
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『マテリアルゴースト』直前の物語。セルフ二次作品第三弾。もっとも、ここまでの二次作品は外伝的な要素が強いので知らなくても充分に本編を楽しめる。
この話に限っては蛍は脇役である。
これも短編にしてしまえばよかったんじゃないの? と思える作品。
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雪瀬空
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『インビジブルゴースト』主人公。苗字が『雪瀬』で名前は『空』と書いて『えあ』と読む。女性。
幽霊にすら見えない幽霊。『インビジブルゴースト』は彼女の死にまつわる物語でもある。
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武内護
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犯人。ミステリじゃないからという理由だけでバラす。それがこのページ。
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オルタナティブ・ゴースト
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作品一覧
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文字通り《オルタナティブ》な作品。
『マテリアルゴースト』とは前二作ほど直接的に関係しない。場合によってはこっちが商業だったのかなぁ、と個人的には思う。
とはいえ太文字を使ったりと、ウェブ形式に順応した作りになっていたりもする。
基本的に《主人公+ゲスト》の形で構成されていて個人的に非常に読みやすい作品である。
形態的には短編連作に近い。背景色で章分けしているのでそれを参考にしてください。
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御倉了
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主人公。幽霊。比較的不遇。でもたぶん、蛍ほどじゃない。十九歳。あ、深螺さんと同い年だ。
人に見られて触れられる幽霊──すなわち悪霊──を目指す。割りと美青年。
彼女がいる(いた)。
以下ネタバレ。
あんまり先の長い人生でもなかったらしい。
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神無鞠亜
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もう一人の主人公。神無家の巫女。異端者として隔離されている。アクシデントに弱い。
高校一年生。マッドなサイエンティスト。
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幽子
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ドラ○もん。じゃなかった。
鞠亜の作ったロボット。元旧家のお嬢の幽霊が動力源。あらゆるハズレくじを引かされるが、因果応報な人生を送っていたらしい。享年十九歳
第二話ゲスト。以降レギュラー。
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右坂藍璃
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了の彼女。相当いい人。天然。……天然?
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春沢明美
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第一話ゲスト。鞠亜の同級生。推定、春沢芳子の妹。推定、年の差十二歳以上。
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タナトス
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たぶん、上のと同一人物。意外と暇人だな、死霊使い。
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水月鏡花
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……あの人。今回は完璧超人として登場。でもアイツ。……ハァ。
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